倒産の兆しが見える
銀行から受けた融資を返済できない会社には「倒産」の兆しが見えます。
なぜなら、融資への返済が行えない会社には現金がないからです。
現金がなければ従業員への給与の支払いも、仕入れに対する支払いも行えません。
たとえ帳簿上で利益が出ていたとしても、使える現金がなければ「黒字倒産」してしまうのです。
自社はもちろん、他社がそのような危機に陥った際にいち早く気づけるように、経営者は「倒産しそうな会社の特徴」を理解しておかなければいけません。
倒産しそうな会社の特徴
損益の悪化
もっとも分かりやすい倒産の兆候は「赤字が増える」ということです。
赤字とは支出が収入を上回った状態であり、つまり損をしている状態を指します。
赤字になればすぐに倒産するわけではありませんが、その後の動向に注目しておいて損はありません。
赤字になった企業の危険信号をしっかりと受け取れると、倒産の危険が回避しやすくなります。
相次ぐ役員の退職
相次いで会社の重役が退職したとき、その会社は倒産の危機に瀕しているかもしれません。
役員クラスの人材は方向性の違いを理由に会社を去ることはありますが、不自然な人事の流れを感じたときは倒産の可能性があります。
同じ理由で、会社の重要な情報を取り扱う「経理部門」の人材が大量退職するようなことがある場合も、倒産に注意しなければいけません。
自己資本の減少
自己資本とは、会社の資産の中でも返済する必要がない部分のお金を指す言葉です。
自己資本は「資本金+利益剰余金」で構成されるため、多ければ多いほど会社の利益が出ているという考え方ができます。
逆に自己資本が減少するということは利益の減少を意味し、会社としては芳しくない状況なのかもしれない、と予想することが可能なのです。
経営数値が適切でなくなる
「経営数値」とは、会社の経営状態を表す指標です。
「売上総利益率」や「営業利益率」など複数の比率で表される数値であり、いずれも理想の数値が設定されています。
理想とあまりにもかけ離れている数値で経営を続けている場合は、黒字経営であっても経営が上手くいっているとは言えないため、倒産のリスクを考えなければいけません。
主要取引先が倒産する
主要取引先が倒産すれば、自社にも倒産のリスクがあります。
一見関係性が薄いように感じますが、取引先の倒産をきっかけに連鎖的な倒産が引き起こされるケースは珍しくありません。
債務不履行が起こって何重にもリスクが重なってしまう恐れがあるので、取引先の動向にも注意しましょう。
経営者は会社を守る責任がある
銀行からの融資が返済できない会社は、倒産の危機に瀕している可能性があります。
「倒産しそう」という雰囲気が蔓延すれば社員の士気が下がり、倒産の回避が難しくなることも珍しくありません。
経営者は最悪の事態に陥らないよう、返済が滞るリスクを常に考えて立ち回る必要があるのではないでしょうか。